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駅前帝国メガトロニア

レゴ ヒーローファクトリー/Herofactoryとバイオニクル/BIONICLEで作品制作しつつ、ヒーローファクトリーシリーズの最新情報をお届け。 その他、ゾイド、トランスフォーマー、メダロットなども。

   

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【映画・感想】ゴジラ キング・オブ・モンスターズは色々考えさせられる映画だった

五月末公開の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』観てきました。
前作『ゴジラ(2014)』が好きだったのと、昭和ゴジラやファイナルウォーズも好きなタイプの人間なので地球最大の決戦に登場した四大怪獣が再びスクリーンで大乱闘するとあってはワクワクしないわけがない。
ゆえに公開初日に見るべく気合の定時退社を敢行し(残業した瞬間に終電に間に合う回が消滅する)、奮発してプレミアムシートを押さえ、空腹で集中力が切れぬようポテチキコーラセットを購入するなど万全の体制で鑑賞に臨むのも自然の流れというものでしょう。

そして観劇していいなと思ったところをざっとあげますと、

・ゴジラとギドラの拮抗するパワーと熱闘
・大スケールの都市破壊
・ワイヤー操演から解き放たれたギドラの自由なアクション
・ワイヤー操演から解き放たれたラドンの自由なアクション



あとは怪獣映画ファンとしては色々考えさせられる映画だったなと思いました。

以下ネタバレになります。

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で、結論から言うとキングオブモンスターズ(以下KOM)という映画は個人的にはすっごく微妙な映画でした。(※初回視聴時の感想)

事前評価で良いとされていた部分は概ね共感は出来たし、前述の通り「いいな」と思った部分も少なくはないのですが、観劇中は常に”もやっと”した感じに囚われ観劇後もその感情は変わりませんでした。

本記事では自分のこの”もやっと”を整理するために可能な限り文字に起こしていこうと思います。・・・なので未視聴の方や超面白かったゼ!という方にはオススメできないかもしれません。


・もやっとポイントその1:登場人物に好感が持てない
KOMは主要キャラ陣をマッドサイエンティストかロクデナシといったアウトサイダー系で固めた布陣で進行する。それ自体ゴジラ映画に限らなければそこまで珍しいものではないが、今作においてそれが有用に機能した部分よりも単に物語への没入を妨げるノイズとなっていたように感じた。

代表的なのがオルカを発明したエマ。さも常人ですという顔で登場しておきながら環境テロリストと蜂起するのは一歩譲ろう。だがそれに娘を巻き込むのは流石に酷い。その割にセンチメンタルなため突き抜けた行動がなくこの手の映画で一番見たくない「安っぽい人間ドラマ」を見させられたのが残念だった。彼女の蜂起の理屈と動機がいささか古臭いは目をつむるとしても、それを伏せたいがために彼女の人物像が掴みにくくなり痛快怪獣活劇のテンポを乱していた。(そもそもつまらない人間ドラマを矯正するために怪獣バトルを入れるのではなく、怪獣バトルを気持ちよく見せるために面白い人間ドラマを入れるべきなのだ)

同様に狂人軍団をメインに据えたゴジラ2000ミレニアムが各人の狂気の背景を映画中で描かなかった(前日譚の小説版でのみ描いた)事で失敗したように、KOMもそれぞれが「何故」「どの程度」「どういう方向で」狂っているのかが解りにくく掘り下げもないのがシンプルな不満であり、ゴジラファンを公言する映画監督であるならば過去作であるミレニアムの反省は踏まえて欲しかった。
(ミレニアムは「ゴジラに魅せられた主人公・ゴジラによって権力を得る政治家・ゴジラを制御し糧としようとする宇宙人が主役」という前提を理解できれば楽しめる映画である)

主人公は比較すればマトモそうだが「こんな無茶苦茶な両親だったら家出するわ」と言われて「そうか娘は家に逃げ帰ってるんだ」と思い至る不可解な思考を披露したり(それで本当に家にいる娘も大概だが)、主人公の人の好さを描くために本筋に関わらないオスプレイ救出シーンを挿入したりとノイズが多い。
前作の主人公であるフォードは典型的アメリカ軍人というステレオタイプな人物像だったがそれゆえに「手の届く範囲で困っている人がいれば助ける」「親父の事は何だかんだ放っておけない」「事態を好転させられそうと思えばきちんと行動する」など「好感の持てる人物」として安心して見る事ができ「物語の邪魔をしないキャラクター」として活躍していた。両親の仇であるムートーとは因縁があるが、ゴジラは利用する・される関係でもなければ共闘もしない。だが「両者が最善を尽くした結果が合わさりムートー打倒に繋がる」という所がゴジラ映画的にはユニークで面白かった。
しかしKOMの主人公はフォードよりも真実に近い位置で行動しているにも関わらず物語の進展に決定打をもたらす場面が少ない上、ゴジラ映画的にユニークだと思える行動もないので彼の活躍を追っても面白くなかったのが残念である。(怪獣の行動を観客に説明する役割はあったが、それだけなら前作同様に芹沢博士でいい)

もやっとポイントその2:人と怪獣の関係が希薄
KOMではオルカを用いてとにかく怪獣に干渉しまくるが、各人が怪獣に対して関連性が感じられない。前作の主人公も前述の通り対ゴジラにおいては関係性は皆無だが、故に直接的な干渉もしない(目が合うシーンがあるくらい)事でゴジラの神性を保っていたし、逆に直接攻撃しあうムートーには因縁が設定されていた。
対してKOMはゴジラと芹沢博士の関係こそ描かれるが、母娘はモスラに多大な迷惑をかけているにも関わらず放りっぱなし、ギドラに至ってはオルカでめちゃくちゃ振り回されるにも関わらず「テラフォなう」するばかりで役割がない。そもそも「自然と怪獣は人には制御できない」という話をしているのにその行いのカウンターであるギドラがオルカで行動をコントロールされているのはそれでいいのか・・・?
今作は「怪獣とは神である」という前提で作られているため人間との関係を意図的に排除したという理屈だとは思うが人との関係を切った怪獣とただの獣に差はあるのだろうか。
アニメゴジラ三部作は「人がゴジラを怪獣たらしめる」という概念を描こうとした作品だった。個人的にこの作品は「怪獣の頂点であるギドラは人知の埒外にある」と明言してしまった事で逆に怪獣の存在が矮小化してしまった感があるが、その理念自体は本質を得ていたと思う。だがKOMは人との関係の描写を放棄してしまった。それにより怪獣の怪獣らしさが減じてしまったように私は感じた。

唯一、芹沢博士はゴジラと接触を試みるが前作を含めて芹沢博士とゴジラの関係が(特にゴジラが生態系の鍵であると確信する理由が)映画内で描かれていないため神殿のシーンも「それっぽい要素を詰め込んだ映像」としか受け止められない。前作の時点で54年版の芹沢博士というより山根博士にキャラ・役回りだったからこそキャラの説明が不要だったが、初代の芹沢大助博士のようにゴジラを直接対峙する存在とするならば「こういう出自キャラだからゴジラの前に立つ」という説明をしてくれなければ盛り上がれない。
ミレニアムの片桐の断末魔(ビルの上で「ゴジラ―!」と叫んだ後ゴジラに圧殺される)はゴジラシリーズ史上屈指の意味不明シーンとして有名であるが、彼は国の対ゴジラ政策を踏み台することで地位を築いた(=ゴジラを利用する事で大成した)存在であるため、ゴジラを制御できない事それ即ち自己存在の瓦解と同義であり、故にクラマックスにゴジラとの直接対決を選ぶという背景が実はあった。だがそれを描かなかった(推論できなくはないが明確ではない)が故に「意味不明」と言われたのだ。
恐らくコミック等で芹沢博士のキャラクターの掘り下げは行われるだろうが、結末だけを映画で見せられても困るというのが正直なところだった。

もやっとポイントその3:怪獣と怪獣の関係が希薄
ぶっちゃけ三大怪獣・地球最大の決戦と同じ取り合わせと知って観劇しているので「人間ドラマなんていらねぇ!」「怪獣と怪獣が戦えばOK!」という心構えはあるんですよ。でも怪獣同士の関係が薄いのは流石に聞いてないぜ・・・

まずゴジラ。「ゴジラとギドラは宿敵だから戦う」って設定なんですが・・・それ前作でやりましたよね? ムートーは「ゴジラに寄生する天敵」という明確な外敵関係でしたが、ギドラは「怪獣王の座を争うライバル」というやや概念的な間柄で、スケールは大きくなった半面あやふや感が出てしまった感があります。(前作のムートーですら博士が地球のバランス云々とか言うせいで分かりにくかったのに)

次にモスラ。「ゴジラと共生関係にある」という設定は「そうきたか!」と思ったものの、それを具体的に映像で描かないまま絶命してしまったのは「そういうとこだぞ!」と思った。(KOMはとにかく「言葉では言うけど映像や行動で見せてくれない設定」が多い)
多分そこを掘り下げたコミックとか出るんだと思うけど本編で描け!本編で!パロディ入れる前にゴジラ2000から学びを得てくれ・・・

そしてロダン・・・いやラドン。
デザインもアクションもカッコいいけど、流石にギドラの手下に成り下がるのは無いわ・・・
怪獣に力の強い・弱いがあるのは仕方ないと思うのですが上下関係・主従関係ってない方が良いと思うんですよね。例えばモスラは戦闘力は低くても勇敢で使命感を持つ怪獣だからこそ気高くて尊みが深いわけで、地球最大の決戦もそんなモスラが戦いを見てゴジラとラドンが義侠心に駆られちゃうのが良いわけじゃないですか。
そこで洗脳やラドン種固有の習性を利用とかならまだしも、強いやつに従うぜっていうのは看板映画のある怪獣としてはちょっとヤダったなぁ・・・
というか中盤にギドラとタイマン張ってるシーンを見て「おおっ!これぞ東宝看板怪獣の雄姿!!」って思ったんですよ、そのあと普通にギドラと戦うと思ったんですよ!なのに・・・なのにねぇ・・・

で、ギドラさんですよ。
ギドラに関しては良いところ一杯あるんですよ。特にゴジラがパワーアップした途端に押し負ける歴代ギドラと違ってパワーアップし返して立て直すとことか。ワイヤー操演だと単調になりがちなアクションがCGによってバリエーションが出てるとか。
でも外来種であるギドラに地球産怪獣が従うって流石に無理あると思うんですよね・・・
操られがちなギドラが他者を操り返すっていうのはまぁ悪くはないと思うのですが、「ギドラ復活」→「各地で怪獣が覚醒」って展開になったら普通「怪獣総進撃」が始まるって思うじゃないですか。あのシーン感動したんですよ「地球最大の決戦と見せかけて怪獣総進撃やるつもりだコイツ・・・!」「地球産怪獣をちぎっては投げちぎっては投げのギドラ無双が始まる・・・!」って。まぁ全然そんなことなかったんですけど。
いや勝手な期待をしたのはこっちなのでそこはいけないんですけど、でも三大怪獣と戦ってこその三つ首だろ!と。3in1だからお得なんだろ!と。タッグバトルじゃ地球攻撃命令だろ!と。(音で操られてるあたり割とそうなんですが)
ところでギドラさんが暴れてるときコングさんはどうしてたんだろうね。


もやっとポイントその4:各怪獣の掘り下げが微妙

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