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駅前帝国メガトロニア

レゴ ヒーローファクトリー/Herofactoryとバイオニクル/BIONICLEで作品制作しつつ、ヒーローファクトリーシリーズの最新情報をお届け。 その他、ゾイド、トランスフォーマー、メダロットなども。

   

【SSSS.GRIDMAN:感想】アニメ版は合体ロボット活劇を甘く考えすぎている

SSSS.GRIDMANは電光超人グリッドマンを原作とするアニメだ。特撮版と同様にビークルと合体してパワーアップするフォームチェンジギミックや、劇中の至る所に散りばめられたオマージュ要素(武史のカッターナイフなど)から「グリッドマンやロボットアニメをよく理解したスタッフが制作している作品」という認知がされていて(結末の賛否はともかく)放映後もこの点についてはあまり変わっていない気がする。

しかし、全話見通して「この製作スタッフ、電光超人グリッドマンは好きで知識もあるけど面白さの根幹を理解できていない」「少なくともロボットアニメときちんと向き合っていない」という考えに至った。

否定的な意見が中心となるが、ロボットアニメ好きとしてはあまりに納得がいかない部分が多かったので気持ちを整理する意味でも文章として残したい。

※以降ネタバレ要素を多分に含みます


いきなりアニメ版を否定してしまったが、原作の電光超人グリッドマンも完全無欠な作品ではなく、特に連続ドラマとしてはお世辞にも出来がいいとは言えない。当初予定していた展開(主に敵側の少年「武史」が改心する流れ)がスポンサーの意向で出来なかった事が致命的で物語の縦軸はかなりブレている。
それでも新作アニメが作られてしまうぐらいに魅力があり、私が愛してやまない理由は(単体の話として面白いエピソードは多いというのもあるが)ロボット活劇の基礎を上手く押さえていたからだ。

原作である電光超人グリッドマンは王道ヒーロー「ウルトラマン」をベースに旧タカラのお家芸である変形合体ロボットの要素をミックスした作品で、グリッドマンは巨大ヒーローであり合体ロボットとしての要素も併せ持つ。
タカラ製の玩具を売り込むというメタ使命を背負ったグリッドマンは1~2週に1回というハイペースで新装備を得ることになるが、劇中では各メカニックを少年少女とヒーローが「共闘する手段」そして合体形態を「共闘の結晶」として描いているのが素晴らしかった。


対するSSSS.GRIDMANはヒーロー活劇としての出来もかなり怪しいが、それ以上にロボット活劇という点においては間違いなく落第だ。その理由はシンプルでロボット活劇なのに登場する合体形態(ロボット)に存在の必然性を感じられないからである。(誤解のないように言うがここで言う必然性とはリアルか否かではなく作劇上の役割がなくストーリーに貢献してもいないという意味である)

先にも書いたが電光超人におけるアシストウエポンは電脳世界にダイブした「グリッドマン&直人」と現実世界に留まらざるをえない「一平&ゆか」を繋ぐ架け橋という明確な役割があり、作劇的にもグリッドマンのピンチを的確に救う事で「一平&ゆか」の存在の重要さを補強ながら、パワーアップ劇のカタルシスを視聴者に提供していた。一方、SSSSにおけるアシストウエポンである新世紀中学生は(役に立ってない事はないのだが)活躍の仕方はとにかく下手だ。

まず自我を持ち人間体を持っている割に主人公チームと積極的に情報提供をしない(自分たちが何者であるか等)時点で仲間としてもサポートメカとしても自覚が足りない。そのくせ中途半端に交流するためグリッドマンがピンチになった時に頼る相手が「グリッドマン同盟(内海&六花)」ではなく「新世紀中学生」になっているので橋渡し役としても機能していない。しまいには最終回で新世紀中学生がオリジナルグリッドマンが分割された姿である事が明かされたため、グリッドマンがピンチの時にグリッドマンに頼っていたという構図はさながら「ドラえもんだらけ」のような滑稽さだ。

設定面も大分ずさんだが戦闘での描かれ方はもっとひどい。基本的に新兵器というのは「既存の形態では倒せない敵(=グリッドマンが勝てない怪獣)」を「適切な方法で倒す(敵の弱点を突く・グリッドマンの不利要素を取り除く)」ことで存在価値とカタルシスを生み、それが最低限のノルマといえる。その点、第2話で登場したビーム反射能力持ちのデバダダンを格闘戦で仕留めるために転送されたグリッドマンキャリバーの描写は良かったが他のメンバーはどうしようもない。


・パワー担当(パワー担当とは言っていない):マックス(バトルトラクトマックス)
第3話でパワー担当のマックスは高速移動とコピー能力を備えた怪獣「アンチ」を倒す為に転送されたが、そもそも転送時点でグリッドマンはアンチに負けていない。アカネとグリッドマン同盟が勝手に負けたと思っているだけで当のグリッドマンは狸寝入りを決め込んでいただけだ。
この時点で新兵器を出す必然性は薄いのだが対抗策の「素早い相手をパワーでねじ伏せる」という手法も疑問だ。例えるなら「当たらなければ意味はない!」を有言実行しているシャア専用ザクの対策としてガンダムハンマーを登場させるようなもので、そんな展開になったら地球連邦軍の判断能力と富野監督の精神状態を心配するし、ましてハンマーを避けられないシャアは「赤い彗星(笑)」と言われること必至。
一応合体により装甲も強化されるので「攻撃をあえて受け止めて捕まえる」という描写であれば納得がいくが、そもそもアンチ側がコピー能力も高速移動能力も使ってこない上にガス欠で自滅するので勝っててもいない。(本記事を書くにあたって改めて第3話を視聴したがこの回の戦闘は本当に茶番でしかない)

一応、第4話ではグリッドマンが苦戦した敵を倒したがキャリバーではダメでマックスでなければいけない理由は描かれない(それどころか新世紀中学生なら誰でもいいという空気である)ためやはりノルマを果たせていない。


・過積載な割に活かされない属性と能力:ボラー(バスターボラー)
第5話では火器とドリル担当のボラーが転送される。対戦相手のゴーヤベックは巨体かつ岩石属性という「これはドリルをねじ込まれるために存在する身体ですね」と言わんばかりの怪獣で、攻撃方法の噴火弾は「あ、誘導弾で迎撃するやつじゃん」というアカネさん渾身の接待仕様怪獣だ。実はこの怪獣も通常状態のグリッドマンが苦戦している描写はないのがアレだが「規格外のデカさ」という絵的にパワーアップが必要そうに見える点にアカネさんの気配りと抜かりなさが見える。

だがここでもグリッドマン同盟は斜め下を行く。というのもボラーが合体したバスターグリッドマンはミサイル乱射と強化ビームだけで倒してしまうのだ。
前述の通りゴーヤベックに対するパワーアップの必要性は「デカい」という絵的な部分のみなのだが、怪獣にミサイル撃っても「表面は焦げても中は生焼け」にしかならない気がする(=絵的に説得力がない)し、結局トドメが強化ビームならマックスグリッドマンで事足りたはずだ。むしろマックスがデカい敵をブン殴って怯ませられたりしたらパワーキャラとしての説得力が出ただろう。ましてデカい敵を体内に飛び込んで倒すというのは一寸法師から続くセオリーなのだから特に理由もないのに外しにいく理由が分からない。
そもそも原作のサンダーグリッドマンの必殺武器の1つのドリルミサイルで、バスターボラーのデザイン自体が原作のツインドリラーのオマージュなのだからむしろドリる方がノルマなはずだろう。「フルパワーグリッドマン」なんて学年誌にしか載ってないネタを拾ってニヤニヤする前に根幹たる映像作品の魅力を拾えと言いたいし、戦闘後に「ドリルらしい活躍なかったな」とボラーに言わせた脚本家の心理状態が心配になってくる。

余談だが、オリジナルグリッドマンから分離した存在であるボラーが仲間(内海)に対して恒常的にDVを振るうというキャラ付けは改めて見るとなかなか不快だ。


・空気が読めないのは設定だけじゃない:ヴィット(スカイヴィッター)
第7話は飛行能力を持つ怪獣が相手とあり、ジェットスクランダー男であるヴィットも自然に活躍・・・できていれば苦労はない。というかSSSSのスタッフがロボット活劇を舐め腐っていると確信したのはスカイヴィッターの回だった。

対戦相手のヂリバーは「再生機能付きファンネルで戦いつつ自分は高空に隠れる」という少しややこしい戦法を使う。そのためグリッドマンは「1.ファンネルを倒す→2.ファンネル再生→3.敵の正体を暴く→4.飛行して怪獣討伐」という段取りを取る必要があり、劇中でも一応その通りの流れが描かれた。だがヴィットの介入タイミングがとにかく下手でびっくりする。

(↓見やすいように必要な段取りを再記入しておく)
「1.ファンネルを倒す」
「2.ファンネル再生」
「3.敵の正体を暴く」
「4.飛行して怪獣討伐」

今回の戦闘でグリッドマンが飛行形態になる必要があるとすれば「1」か「4」の段階だ。「1」は敵が飛んでるからこっちも最初から飛ぶというパターンで万全を期すという意味では正しい。だが最初からヒーローに飛ばれては相手怪獣の個性を描けないないため普通は選ばれない(まぁ、後述のフルパワーグリッドマンでこれやらかすんですけどね)。
「4」は本体に到達するべく飛ぶパターンで言ってみれば相手に「王手」かける詰めの一手だ。将棋なりカードゲームをやった経験のある人なら分かると思うが、詰めの一手を打つのは大変に気持ちがよく観戦している側も「すごい」と思えるもので大いに盛り上がる。

しかし劇中でヴィットが介入するタイミングはなんと「3」だ。確かに「2」の時点でグリッドマンはちょっとピンチであるがファンネルは素のグリッドマンで対処できるような低空を飛んでいるので援護だけなら火器が豊富なボラーあたりで十分だ。一応、ヴィットの解析能力で敵を見破るパートがあるが「飛べる奴が行ってこい(飛行能力が要る)」って言われているのに「敵の正体を見破る」というのは求められている役割ではない。まして今回の「ピアノ線の操演でファンネルを操る」という特撮ネタを特撮オタク設定の内海に拾わせないのは愚策にも程がある。(ここで内海が役に立っていれば終盤にアンチを叱責するシーンも上滑りせずに済んだろうに)
最終的に飛ばなきゃ倒せない敵を飛んで倒している分だけ前2者より活躍的にはマシだが、飛行パーツ装着というマジンガーZから続く決まりきったパワーアップイベント作法も満足に描けていないのだからロボットアニメをちゃんと見ていないと言われても仕方ないと思う。


狂った戦闘バロメーター:アンチ(グリッドナイト)
敵キャラクターというのは主人公側に「パワーアップを要求する」存在であり、彼らの存在によって新兵器は必要性が保証される。だが、前述の通り新兵器自身の登場意義を描けていない作品なのだから当然のごとくこちらも満足に描けていない。今作のライバル怪獣アンチの酷さはもはや筆舌に尽くしがたいレベルなのだが頑張って言葉にしたい。

ロボット活劇に限らずライバルというのはバトルものにおいて主人公サイドの戦力や成長を計る物差しとしての役割がある。だがアンチは出だしからこの物差しとしての機能を放棄した。
初戦のアンチのは一応戦いを有利に進めるが対峙したグリッドマンはアンチが人間かもしれないと疑って手心を加えているため「グリッドマンは本気じゃないから負けた」としか映らず、アンチの戦闘力はいきなり宙に浮いている。そして当然こんな強いんだか弱いんだか分からない半端怪獣を倒したところで強化形態マックスグリッドマンの株が上がるわけがない。その後も味方怪獣の足を引っ張る役目を与えられたせいで「アンチがバカだからグリッドマンが勝てた」という図式を生み、本人も本人でガス欠を繰り返すためひたすらグリッドマンの強さの証明機会を奪い続けた。(そもそも「グリッドマンの能力をコピーできる」という能力設定のせいで労せず成長できるアンチは物差しとして役立たちようがないのだが)

そんなアンチ君も終盤味方になった。どんなキャラでも味方に来れば戦力増だし「誰もがみなヒーローになれるよ」は電光超人の主題歌のフレーズでもある。しかしこんな壊れた物差しから生まれたグリッドナイトを「強キャラ」としての認識を強要されるのはやはり違和感が拭えない。作劇上「役に立たない怪獣」にする必要があったのは理解するがそこはガス欠設定だけで事足りた気がする。

ここまでダメだったなライバルキャラは他に思いつかない。個人的クソライバルキャラ三銃士は70話以上あるくせに直接対決のない「青沼キリハ(デジモンクロスウォーズ)」、有能設定なのに少年主人公に知能レベルを合わせて無能化する「シド・ミューラァ(宇宙漂流バイファム)」、数回しか出てこない上に勝手に病死する「フルザゲルナー(銀河疾風サスライガー)」であるが、キリハは無双シーンがちゃんとあるし、ミューラァも勝手に弱体化しているだけなので主人公を弱くは見せていない。フルザゲルナーは本当に主人公と絡まないのだが絡まな過ぎて実質無害と、マイナスに振り切ったアンチよりはマシに思える。


戦闘力数式の破壊者:フルパワーグリッドマン
アンチが戦闘力バロメーターとして使えないのも大概だが、戦闘力の序列を根本から狂わせたフルパワーグリッドマンはなんかもう・・・なんかもうアレだよ。(侮蔑の語録が尽きた)

フルパワーグリッドマンは第1話で倒したグールギラスを強化改造したメカグールギラスに対抗するため新世紀中学生とグリッドマンが全機合体した姿でありグリッドマンの最強形態という触れ込みだ。だがしかし「ジャンクの処理落ちを防ぐためにサイズダウンしている」という設定のせいで「実はそんなに強くないんじゃないの?」というノイズが合体前からブチ込まれている。そもそも改造元のグールギラスは第1話で素のグリッドマンが完封しているのだからそれを強化したところで強いのか弱いのかわからないし勝ってもフルパワーグリッドマン=最強とはならない。
処理落ち云々の設定も「フルパワーグリッドマン=グリッドマン+新世紀中学生=オリジナルグリッドマン」なのだからサンダーグリッドマン(オリジナルグリッドマン+アシストウエポン全機)を動かせたジャンクなら処理できるはずで意味が解らない。

この際だから書いてしまうがフルパワーグリッドマンはヒーローとしても最低だ。アカネの学校襲撃予告に対抗して生徒の避難を促しつつしつつ出てくるまではいいが、怪獣を圧倒する戦闘能力があるにも関わらず「わざわざ怪獣を抱え上げて人払いした学校から一般人がまだいる市街地に戦場を移す」という暴挙に出たのだ。SSSSの世界はアカネが創造した閉鎖世界なので海や山といった空き地的スペースがないのかもしれないが、明確に「無い」とも言っていない以上はその理屈は通らない。なにより第8話自体が「いかに一般人を巻き込まないかの知恵比べ」として展開していたのにここで全てをぶち壊すのは視聴者に対してあまりに不誠実と言うほかない。その上で最終回付近ではそれまで街を破壊してきたアンチを内海達が叱責するのだから趣味が悪い。いくらSSSSがキャプテンアースリスペクト作品だからといってこんなブーメラン投げても仕方ない・・・っていうかキャプテンアースもエヴァンゲリオンもその辺ちゃんと描いてただろ!デジモンアドベンチャーtri.かよ!!(筆者IGU.の放てる最低最悪の侮蔑)

※デジモンアドベンチャーtri.・・・デジモンというコンテンツの息の根を止めるために作られた映像兵器としか言いようのない作品。ファンが「こんな展開になったら最悪だな」という予想を軽く超越する悪展開を2年半に渡って繰り広げた。ファンが刑事事件を起こさなかったのが不思議というかこれがガンダムだったら死人が出てた。



加筆中


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