復活の可能性を考える前に、まず現在展開中の
ヒーローファクトリーと
ビルダブルフィギュアがどういった経緯で誕生したシリーズなのか振り返ってみましょう。
レゴ ヒーローファクトリー(以降「HF」)は、2010年前期をもって2001年から10年間に渡って展開されたバイオニクルシリーズが完結し、それに置き換わる形で展開が始まりました。
特徴としては、それまでのテクニック系パーツ(シャフトやペグ)を使ったパーツ接続をテクニックボールジョイント主体のビルディングシステムにリファインされた点が挙げられます。それまで1パーツで表現されていた四肢を「
ボーン+
アーマー」とすることでバイオニクルのパーツよりも表現力と汎用性を高め、ブロック玩具として遊びやすくする工夫が行われています。
また、新しいビルディングシステムは金型の共通化も可能にし、パッケージ金型の再利用(1.0~3.0はスターズのパッケージを流用)やビニールパック化などと合わせ、大幅なコストカットによる廉価性も実現しました。
簡単に特徴を纏めると以下の通りです。
・ビルディングシステムの改良による汎用性と表現力の強化(更なるブロック玩具化)
・コストカットによる廉価性
続いて
ビルダブルフィギュアシリーズですが、これは簡単にいえば
キャラクター性に特化したHFといえると思います。
そして、その大元は2010年に販売された
レゴ BEN10シリーズに遡ります。
レゴ BEN10はバイオニクルの最終シリーズである
バイオニクル スターズの直前に発売されました。商品としてはバイオニクルと同じテクニックボール関節を用いており、基本的なセット内容もバイオニクルとほぼ同じです。
しかし、BEN10シリーズは1つ画期的な点を備えていました。
それは、レゴ社のオリジナルキャラクターであったバイオニクルに対し、その名の通り
カートゥーンネットワークのアニメ「BEN10」(厳密にはシーズン5のBEN10 エイリアンフォース)
のキャラクターである点です。(他にも2層構造のボディや3mmジョイントを使った装飾なども特徴として挙げられますが、それはまた別の機会に)
つまるところレゴ BEN10は、版権キャラクターをバイオニクルのフォーマットで表現した商品であり、この図式は2012年に発売される
レゴ スーパーヒーローズ ウルトラビルドシリーズに受け継がれます。
BEN10やスーパーヒーローズに対してビルダブルフィギュアがモチーフとしているレゴ チーマはレゴ社自身のブランドではありますが、シリーズのコンセプトというか在り様は基本的に同一と考えていいと思います。
また、この系統のシリーズは
バイオニクルやHFと平行して展開されているのも特徴です。
いずれもHFや元シリーズ(チーマやスーパーヒーローズ)のサブライン扱いであり(BEN10だけちょっと特殊ですけども)、「20xx年の○○シリーズの代表」といった存在というより親元になっているシリーズの裾野を広げる役割を担った製品群と捉える事が出来ると思います。(00年代に出たレゴ スポーツのホッケーもこれに近いです)
版権キャラクターとのタイアップはレゴを触った事がない一般層へのアピールとしては非常に有効であることはレゴ スターウォーズシリーズの人気を見れば一目瞭然だと思います。
そして、ビルダブルフィギュアもレゴ システム(普通のレゴ)とのタイアップと捉える事が可能です。バイオニクルは良くも悪くもレゴブロックの中でも非常に独自性の高いシリーズに成長してしまったため、同じレゴファンでも「
システムファンはバイオニクルを買わない」「
バイオニクルファンはバイオニクルしか買わない」といった現象が起きていました。
レゴ社としてはこの溝を埋める(シームレス化する)ことで「これまでバイオニクルを買わなかったレゴファンにも買ってもらい売り上げを伸ばしたい」という思惑がある事は想像に難くありません。(もちろんその逆、「バイオニクルファンにシステムを買ってほしい」という想いもあると思います)
そこでレゴ チーマではビルダブルフィギュアを登場人物達のパワーアップ形態と設定し関連付ける事で、システムとHFの両方に興味を持ってもらえるよう工夫されています。
つまりカンタンに特徴を纏めるとこんな感じになります。
・強いキャラクター性
・(HFと比較した場合)フィギュアとしての側面が強い
・親元のジャンルを拡張する役割
・他ジャンルとの連携(特にチーマ)
ここから本題に入っていきたいと思います。
長い前置きで何が言いたかったかと言うとつまり、「
レゴ社がバイオニクルを復活させるとすれば、当然そこには何かビジネス的な“狙い”があるはず」という事です。
システムでもニンジャゴーでレゴ ショーグンのニンジャが復活し、アーキテックもシティ アーキテックとして復活し、どちらも好評を得ているので、レゴ社自身は「過去シリーズをリファイン自体はアリ」と考えていると思います。しかし、ビジネスは当然リスクを伴うものなので何かしらの勝算は必要なはずです。(いわゆる暗黒期のレゴでさえ「狙い」や「勝算」自体はキチンとありました。もっとも、見当違いではありましたが)
旧バイオニクルやスライザーの場合は、大型の乗り物セットが中心だったレゴ テクニックにキャラクター性・アクションフィギュア性・廉価性をプラスすることで新たな顧客を獲る事が目的でした。(更に言えば独自のストーリー展開やメディアミックスのノウハウ獲得も目的だった)
ヒーローファクトリーは、バイオニクルで得た顧客の受け皿が必要だったこと、新規金型の連発や大型化で高コスト化しすぎてしまったバイオニクルを子供でも買える値段に戻すこと、専門性が高くなりすぎたビルドシステムの見直しが必要だったことが挙げられます。
こういったように、いずれもその誕生にはきちんとした理由を見出す事ができます。
それではバイオニクル復活の“狙い”を推測してみましょう。
パターン1:HFの後釜が必要
パターン2:ビルダブルフィギュアの後釜が必要
パターン3:システムとのシームレス化のため
パターン4:HF系ラインが好調なのでをもっと拡充したい
パターン5:特になにも考えていない
パターン6:そもそもガセ
パターン1:HFの後釜が必要
ファンとして最も理想的なのはヒーローファクトリーやビルダブルフィギュアといった既存のシリーズを残した上での新シリーズ(新バイオニクル)の展開でありますが、ある意味一番現実性があるのがこれです。「
HFが終わるから、同等の人気を期待できるバイオニクルを復活させる」という非常に単純でわかりやすいパターンです。
HFの親シリーズであるバイオニクルですからHFの後釜としてはこれ以上なく適任といえます。
問題はHFはアメリカ的な分かりやすいヒロイズムやデザインを採用する事で、最悪ストーリー展開がおざなりでも遊べてしまう広い間口(とっつきやすさ)を実現していましたが、バイオニクルでそれができるかというとちょっと不安な気もします。
日本でのバイオニクルの一般販売が途切れたのは、デザインのキワモノ感が増した事もありますが、それを補完するストーリーの展開をレゴジャパンが放棄してしまった事が大きな理由でした。
流石にレゴ本社がそれをおざなりにする事は無いと思いますが、アジア諸国など新しく開拓したばかりの市場にまでフォローが回るのか、そして受け入れられるのかは不安要素かも。
後、HFはバイオニクルと同じくらい大好きなので終わって欲しくないですw(超個人的願望)
パターン2:ビルダブルフィギュアの後釜
日本ではそれなりに受け入れられている感じのするのビルダブルフィギュアですが、一部地域での販売不振に悩まされているようです。特に
北米での販売が芳しくないようで
2014年版(フルミノクスやファンガー卿)の販売がキャンセルされています。
北米と言えば、かつてバイオニクルの主要マーケットであったエリアであり、2006年のピラカ以降は北米(アメリカ)でのウケを狙って路線変更したというウワサが立つほどの、いってみればバイオニクルの第2の本場といえる地域です。
もし、レゴ社が「バイオニクルの本場である北米で売れない」という事態を重く見た場合、かつて北米で強く支持されていたバイオニクルブランドを復活&投入という対応をとる可能性もあり得ると思います。
この場合、問題というか課題は
ビルダブルフィギュアに代わるシステムとの連携をどう実現するかという点です。
可能性としては、バイオニクル主体でやる場合は、いわゆる
システムニクル(バイオニクルのミニフィグが入った製品群)の復活でしょうか。
過去に出たシステムニクルはお世辞にもいい出来とは言えませんでしたが、「タ・コロ村」「キニ・ヌイ寺院」のようなロケーションをキチンと再現し、ツラガやマトランなど一般人フィグも入れた、ファンタジー色の強いお城シリーズのようなノリで展開すればシステムファンにも魅力的に映るかもしれません。
あるいは、「
HFの方を今後ずっとミニフィグスケールで展開する」というのも可能性としてはあります。HFにシステムとのシームレス化の役割を担ってもらうことで、バイオニクルとしての展開に集中するという選択肢で、HF:IFBでヒーローがミニフィグサイズになったのも、バイオニクルに道を譲る為の布石だったという考え方もできなくはないです。
実際、バイオニクルの最終シリーズであるスターズが低等身&低価格だったのは、HFへ以降するための布石であるというのはほぼ間違いないと思います。
でも、ビルダブルフィギュアもバイオニクルと同じくらい大好きなので...(ry
パターン3:システムとのシームレス化のため
実際やったらファンから色々言われそうですが、ビルダブルフィギュアやHF:IFBの役割をバイオニクルにやってもらうという可能性も無くは無いです。
バイオニクルの世界観やマスクを探求し悪の権化を討つという基本プロットはセット化しやすそうですし、あったらあったで面白そうな気はします。
パターン4:HF系ラインが好調なのでをもっと拡充したい
レゴ社は今や、TFやG.I.JOEを擁するハズブロをも追い抜いた世界第2位の玩具メーカーであり、今より更に商品点数を増やしていく方向に行く可能性はあります。
事実、代名詞であるカタログはこの10年で数倍の厚さになり(まぁ2004年頃のカタログがあまりにも薄すぎるんですけど;)、クリックブリックのような小売店ではよく「もう新商品置く場所が無い」という嬉しいような悲しいような叫びもチラホラ。
ぶっちゃけシステム系のラインは現時点で限界点ギリギリだと思うのですが、だからこそバイオニクルやフレンズ、テクニックといった少し違うベクトルのシリーズを拡充するという戦略を執ってくる可能性はあると思います。
ファンとしては全てを両立してくれるこのパターンが一番いいのですが、ただ小売店の販売スペースは先にも述べた通り飽和状態なので、ギャラクシースクワッドのように「シリーズ丸ごとトイザらス限定」や、「日本ではクリックブリック限定」というパターンも覚悟しないといけなくなるかも・・・?
パターン5:特になにも考えていない
ある意味一番恐ろしいのがコレです(苦笑)
「レゴいっぱい売れてるからとりあえずだしとけー!」というパターン。
レゴ社は俗に「暗黒期」と呼ばれる本当にどうしようもなかった時期があり、売れ線だったスターウォーズとハリーポッターの映画終了による版権系セットの販売減の追い打ちもあり、ホントに倒産一歩手前まで追い込まれた過去があります。(実はこの時レゴ社を首の皮一枚で繋いでいたのが他でもないバイオニクルなのですがこの話もまた別の機会に)
その時の反省が今のレゴ社の好調の礎となっているのですが、「歴史は繰り返す」という言葉もあるので、持病が再発する可能性も無いとは言い切れません。
パターン6:そもそもガセ
はい、これも可能性高いです!w
何も考えずに出すくらいなら復活しない方が平和かなーと(割とマジメに)思ってます。
そもそも、個人的には今のバイオニクル系列に必要なのは、ストーリー性やキャラクター性が濃いバイオニクルじゃなくて、むしろ逆のストーリー性もキャラクター性も無い、つまり
ユーザーが好き勝手に想像・設定できる「
レゴ クリエイター ヒーローファクトリー」みたいなものだと思うのです。
というのも、バイオニクルもヒーローファクトリーも「アクションフィギュアであり、ブロック玩具でもある玩具」なワケですけど、前者はともかく
「1セットでブロック玩具として楽しく遊べる商品」が殆ど無いと思うんですよね。
もちろんシリーズの特性的にもセールス的にもフィギュア的な方が売りやすいし、実際売れるんだと思いますけど、こういうスターターセット的なものが1個くらいあった方が良いと思うのですけど・・・どうでしょう、レゴ社さん?w
まぁ、新バイオニクルが出たらもちろん買っちゃうんですけどね!w
COMMENT
No Title
あーでもブログのパスワードとか忘れてしまったという罠(マテ
で、それはそれとして翻訳のゲームルール用紙ですかね?アレ。
わたし、気になります!
No Title
パワハラ指切断でおなじみのド屑県香川のド屑企業フジフーヅでございます。
裁判も会社ぐるみで偽証をして無事乗り切ったド屑でございます。
餃子シュウマイなどをスーパーで販売しております。
店頭で見かけましたらそのときはご購入のほどどうかよろしくお願い致します。
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