第一章:航空兵器のメリットとは?
そもそも航空・飛行兵器のメリットとは何でしょう?
【利点】
(1)地形に左右されない
(2)空中には地上に比べ障害物や抵抗となる要素が少ないので速度が出せる
(3)地上を俯瞰(ふかん)的に見ることが出来るので、対地攻撃に有利
(4)空中に位置し、機動力がある為に地上から攻撃されずらい(対空兵器など例外はある)
大まかにこの4つの要素が利点足りえると思います。
その中でも一番大きな利点は(1)。
空を行けば、森や川だけでなく多少の山や海峡くらいはひとっ飛びです。
また、障害物が少ないということはそれだけ速度を出す事も出来ます。
(3)(4)の利点も大きいです。
視界を広くとることが出来るので敵の位置や状況把握に有利です。
また、空中を飛行する相手を撃墜するのは地上の相手を倒す事よりも骨が折れ、
対空砲や対空ミサイルなどといった、やや特殊な武器も必要になります。
架空飛行兵器に思いを馳せる前に実在の航空兵器について押さえておきましょう。
飛行兵器の代表格といえばやはり「
飛行機」と「
ヘリコプター」です。
(昔は飛行船や気球も偵察などに使われていましたらしい)
飛行機の利点
はとにかく速度が出せる点、これについては他兵器の追随を許しません。
(音速以上の速度を出せる現用兵器は飛行機のみ)
一方ヘリコプターは飛行機に比べ飛行速度が遅い(攻撃ヘリ・アパッチが最高375km/hくらい)ですが、
その代わり
ホバリングや
垂直離着陸(VTOL)が出来るなど
飛行機よりも圧倒的に小回りが利くのが利点です。
こう聞くと「なんだ飛行兵器万能ジャン」と思えてきますが欠点も色々とあります。
【欠点】
(1)同じ場所に留まっていられない。(常時燃料を消費するので空間を占拠できない)
(2)発着陸に特別な施設(滑走路・ヘリポート)を要する。
(3)高価かつデリケート
ヘリコプターはホバリングが可能ですが、燃料が切れたら落ちてしまうので同じです。
(ちなみに実際の軍隊では「制空権確保」ではなく「航空優勢」と言うそうです)
もっとも、空中に留まっていられないのは相手も一緒なので実質的には占拠に近い状態になります。
(2)も大きな弱点です。
発着に専用のスペースが必要となると行動範囲はかなり制約されます。
(まぁ、大抵のSFマシンはVTOL機能完備ですが・・・)
燃料は常時減るので基本的には「行って帰ってくる」事を想定しないといけないのもウィークポイント。
(空中給油したり、恒久動力積めば別ではありますが)
そして(3)。
飛行機というのはとにかくデリケートな代物で、維持費も馬鹿になりません。
「飛行」という高度な機能には「地上を走る」という機能に比べ、遥かに高度な技術・機構が必要だからです。
第二章:航空ロボット兵器を運用局面
運用を考えるにはまず航空ロボット兵器そのもののスペックを把握しなければなりません。
まず速度はどのくらい出せるものなのでしょう?
ぶっちゃけ、形状からして明らかに飛行はもとより高速移動には向いてはいないのは誰の目にも明らかなので、
普通に考えれば
どんなに頑張っても音速は超えられないと考えるのが妥当です。
この時点で戦闘機的運用は諦めた方が無難でしょう。
実際は最高速度だけで戦闘・実戦能力は決まらないのですが、
トロトロ飛んでいたらレーダーに引っかかった時点でミサイルやインターセプターが飛んできて撃墜必至です。
ただし、「周囲にフィールドを張って衝撃波を軽減~」というのも多く、
超技術や時に魔法を使っているものも多いので、設定次第では音速超えや空戦も出来なくはない・・・か?
では、旋回性能はどうでしょう。
はっきり言えばどう曲がってるのかすら分からないものが多いですが、
色々なアニメを見るに大抵の航空ロボは蜂や蝿の如くキュッキュッと曲がりやがります。
これまた超技術や魔法を使って曲がっているのでしょう。
しかし、元々スピードが出ない代物と分かっているので、
旋回性能や小回りに特化した設計をするのは自然の流れかも知れません。
もしそうだとすれば、戦闘ヘリコプター的運用の方が向いている可能性があります。
また、航空ロボット兵器の大きな特徴は航空機よりも装甲が分厚いことでしょうか。
形状からしてスピードが出せないならば被弾を覚悟して装甲に特化させてもおかしくは・・・ない?
第三章:航空ロボット兵器の利点
フィクションに出てくる航空ロボットの多くは
空中戦と地上戦どちらにも対応可能という点を利点として描かれている場合が多いかと思います。
しかし、空を飛べる兵器がわざわざ地上に降りてドンパチする意味があるかといえば・・・なわけで。
(兵器的に、というよりも“主人公が無双する為に”必要な能力だったりする)
ちなみに「~両用」という兵器は、実在のものでは水陸両用車両などがあります。
しかし、それは水上戦や水中戦を想定したものではなく、河や沼といった場所を走破する為の装備です。
それを踏まえると飛行装置は障害物回避の装備としては有用かもしれません。
足で歩くロボットが河を渡るのはさぞ骨が折れるでしょうしね。
それを考えるとモビルスーツの類がブースターを装備しているのは理に適っているのかもしれません。
まぁ、これを航空ロボット兵器と言えるかはやや疑問でありますが・・・
余談コーナー:トランスフォーマーの場合
非常に特異な存在と言えるのが「トランスフォーマー」(種族的に言うとサイバートロニアン)です。
彼らはロボット兵器ではなくロボット生命体(宇宙人)であり、
軍事的に見てみれば
大半は兵器ではなく「兵(構成員)」に当たる存在です。
(ちなみにTFでは一般兵は「戦士」あるいは「兵士」と表記されることが多い)
彼らの強みは体が元々機械である故に「自身のアップグレード(改造)を手軽に行える」点。
(TFの場合「治療=パーツ交換」というケースも多いので、改造(医療)技術は発達しているものと思われる)
つまり彼らの場合、「飛行できる装置を作ろう!」ではなく、「俺らが飛べば済むじゃん!」となるわけです。
また、地球人よりも遥かに頑丈なので多少の無茶にも耐えられます。
彼らの場合、飛行能力の確保は
軍の最小単位である「兵」の能力の底上げに繋がるので、
これについては純粋に「飛行能力」のアドバンテージを得れるものと思われます。
技術的にも恒星間飛行・ワープなどが出来てしまう文明なら、飛行装置くらい朝飯前?
もっとも、ビーストウォーズ以降のTFシリーズでは、
「飛行能力のある対象(飛行機や翼竜など)をスキャニングしていないと飛行できない」というのが主流ですし、
実写シリーズやPRIMEでは「飛行能力のある形態でないと飛行できない」と更に能力が制限されました。
しかし、逆に言えば彼らは飛行能力のあるものさえスキャンすればタダで飛行能力が手に入ります。
彼らの生まれもっての能力「トランスフォーム」、実に低コストかつ便利な能力である。
第五章:今日の持論・結論
【飛行ロボの運用案】
・ヘリコプターの発展型として運用
空を飛んで、尚且つ「飛行中に攻撃可能」となると攻撃ヘリ的な運用、
つまり対地攻撃用の兵器としての運用となるかもしれません。
ただ、冗談抜きで「脚なんて飾りですよ」状態になる気はします。
△もし、航空ロボが存在したらこんな姿に?
しかし、こういったロボもしっかり造型すればスズメバチの大群みたいで案外シブくてカッコいいかもしれません。
同タイプのメカ同士なら空中戦も出来るかも。(先手を打った方が一方的に勝っちゃいそうですが)
運用時の注意点としては空戦能力(空対空)能力は低いので、
間違っても戦闘機に喧嘩を売らないこと。
十中八九返り討ちにあう・・・ というかアウトレンジからミサイルが飛んできて即アウトです。
また、スピードはそこまで出ないので
対空砲や対空ミサイルにも注意。
逆に言えばこういうメカがいると対空メカを光らせる事が出来ます。
光学兵器主体のご時勢ならばエネルギーシールドを搭載するのも良いかも知れません。(コスト上がりますが)
というわけで、今日の考察はこの辺で終わりです。
結論というか持論は出しましたが、上手い設定さえつければ空戦させる事も可能かと思います。
例えば、「惑星Ziには飛行機なんて無くて、そもそもゾイドしかいないんだよ!」と設定すれば、
自動的に「飛行ゾイドvs飛行ゾイド」の構図が生まれます。
要は設定や機体のデザイン次第では魅力的に成り立たせる事が可能であると思っています。
異論などもあれば、議論していきたく思います。
ついでに面白い空戦ロボのアイデアも募集中(笑)
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